豆蔵ソフト工学ラボ所長の羽生田です。
いよいよ秋も深まる10月ですが、最新号の豆蔵コラボ記事をお届けいたします。

いま豆蔵の社内ではいくつかの勉強会が行われています。いくつかは本当にインターナルなもので社員のスキルアップを目的として若手を中心に集まって実施しているものです。

週1でお昼にお弁当を持ち寄って集まりモデリングスキルを磨くためのディスカッションと演習を行う「昼モデ」。ここでは、週替わりでお題を出してそれについてその場でわいわい相談しながらチームでモデリングしお仕舞いの10分くらいでお互いにコメント、レビューしあうというアットホームな勉強会が行われています。お題は週替わりなのですが、隔週でまじめな業務系のテーマとやわらかめの趣味のテーマを交互にやるように工夫しています。「経費精算のしくみ」をやったら次の週は「日本人にとっての温泉」、次の週は「営業支援に必要な情報」、そしてまた「七夕の願い事」といった具合です。この勉強会のおかげでどんなネタやテーマが来てもとりあえず及第点のモデルは描けるぞという自信につながっているという感想が多いです。

若手中心でやっているもう1つの勉強会が月1で行われている「豆塾」です。こちらは若手のコンサルタント力を育成するための「塾」という形で、技術を顧客を前にしてそのようにサービスという形にできるか「理解力」「表現力」「提案力」を底上げするためのワークショップスタイルの勉強会になっています。現在もっている自分の力をうまく組み合わせて突然与えられる無理難題?になんとか短時間でアドリブで「答え(正解はありません)」を組み立てていくという実践経験を繰り返し行うことで、ロバストなコンサルタントとして基礎的な振る舞いを身に付ける道場を目指しています。「アドリブはコンサルタントのドリブル力」という標語で、持っている技術セットとお客様のニーズを埋めるスキルと工夫を考えながら身に付けていく場の提供ということになります。

別のスタイルの勉強会としては、中堅社員も若手も混ざって、そのときどきの興味深いトピックスで勉強会を行うというものがあります。DDD(ドメイン駆動開発)の勉強会や、Googleが作った組み込み向けOSのAndroidの勉強会(これは書籍『Androidプログラミング入門』ASCIIの執筆出版という成果につながっています)、そして最近ではiPhone勉強会が活発に行われ、社内システムとの連携なども視野に入れた独自のアプリ開発を試行錯誤している状況です。

現在、新たに始まったのが今関数型オブジェクト指向言語としてあつい注目を集めるScala勉強会で、こちらは社外の独立した勉強会としてScala-beグループ主催で立ち上げました。テーマとしては、日本語で初めて出版されたScala本であるOderskyらの『Scalaスケーラブルプログラミング』インプレスジャパン(私が翻訳しました。いい本ですのでぜひ買って読んでみてください)をテキストに初心者にもわかるように解説と質疑と簡単な演習を行う形式で考えているそうです。Scalaに興味のある方であればどなたでも参加できますので、みなさん、ぜひどうぞ。

勉強会をうまく続けていくこつは、他のメンバーと一緒に学んで楽しかったという参加体験をもってもらうことと、参加して実際に使えるものが得られたという成果の組み合わせだと思います。こうしたサイクルがじわじわと効いてきて、いずれビジネスのネタとして成長していき、豆ナイトのような対外向けセミナーになったり、実際の顧客に対するコンサル用のコンテンツとして整備されていくことが期待できます。そうしたものも最初は「面白い」「楽しい」「できた」といった小さな体験の積み重ねから始まるのではないでしょうか。

以上、豆蔵の勉強会のあれこれをご紹介しました。これからも、RIA技術やクラウド・コンピューティング、SSMやプロジェクトファシリテーションといったさまざまなテーマで勉強会が興っていくことと今から期待しています。その成果の一部は本コラボサイトでも順次紹介していきたいと思っています。

実は本コラボサイトでは、次回から「アーキテクトから見たクラウドコンピューティング」というテーマで連載が始まります。執筆者は、株式会社アーキテクタス代表取締役の細川努さんです。国内シンクタンクにおいて20年間勤務し、金融系、流通系のシステム構築に携わり、独立後は様々な企業のシステムアーキテクチャ構築や要求開発などのコンサルティングをされています。そんな経験を踏まえて、第一線のITアーキテクトの視点からクラウド・コンピューティングという大きな社会的イノベーションの可能性を、テクノロジーとシステムの新しい関係という観点から縦横に語っていただく予定です。ご期待下さい。