今回は最終回、エンジニアとして常にカッコよく生きてほしいという思いを込めて、この連載を締めくくることにしよう。

第5条:常にスタイリッシュでカッコよく生きるべし

エンジニアリングにチャレンジするカッコよさ

この連載でエンジニアリングを楽しむという個所でも書いたが、エンジニアたるもの、常にエンジニアリングにチャレンジすることで自らを高めていってほしい。そういう事に拘る人を見ると僕は素直にカッコいいと思う。
エンジニアリングにチャレンジするということは、どういう事か?それは、常にエンジニアリングを駆使して問題解決を行うことに努力することだ。
中には、まったくエンジニアリングに興味を示さず、日々の仕事をこなすだけというエンジニアもいる。このような人は、どれだけ非効率でつまらない仕事をやっているのか気が付いていない。
非効率な仕事に時間をかけることより、常日頃からエンジニアリングを勉強する事に時間を費やして、少しでも仕事の効率化することを目指すべきだ。もし、仕事が効率化できたとしても、勉強時間のロスによって、非効率な仕事に時間をかけている人と同じくらいの労力が必要になることもあるだろう。しかし、どうせ苦労するなら、知識が蓄積するやり方を選ぶべきだ。その姿は、水面下では懸命に水をかき、水上では優雅に泳ぐ白鳥のようである。美しいものは、どこかでそれなりの努力をしているものである。
また、エンジニアリングは学ぶことだけがエンジニアリングではない。IT業界のような歴史の浅い世界では、みずからエンジニアリングを作りだす気持ちが必要なのである。既に決まっているものを元に積み上げることではなく、さまざまな情報を組みあさせて、新たな技術・手法を描くことに怠らないようにしてほしい。
欧米人は、たいしたこともないのに平気で自分の考えを形にする。それにくらべて日本人は、自分にしっかりとしたアイデアや考えを持っていても、それを公表せず、他人(著名な外国人)が言ったことだけを信じようとする。これは非常にカッコ悪い。
カッコいいエンジニアは、しっかりと自分の考えを持つ。そのためには、分析能力だけではなく、既にある情報に捕らわれることなく、自ら何らかの形を描いていく能力が必要なのだ。
正しいエンジニアリングを学び(学習)、新しいエンジニアリングを作る(描く)ことを行い、それを現場で実践しているエンジニアはカッコいい。

ビジネスパーソンとしてのカッコよさ

クリエイティブなエンジニアとしてのカッコよさは、やはりビジネスの中で活かされなければならない。よって、しっかりとビジネスの場にあった着こなしを行うべきである。 すくなくとも、その場にいる方々(たとえばお客様)に不愉快な思いをさせる服装は慎むべきだろう。しかし、僕も昔は、スーツを着ないで実力で勝負することがカッコいいと思っていた時期もあるし、それが通用していると思っていた時期もある。
これは服装以外のビジネスマナーもしかり。
しかし、それは、そのように思っていただけであり、かなりのビジネスチャンスを逃していたのだ。当時の僕は、直接的にビジネスをやることがエンジニアとしてはカッコ悪いと思っていたふしもあるのだ。だが、それは完全に井の中の蛙であることを、様々な経験を通して思い知らされていった。本当に実力があるのなら、どうして直接的にビジネスパーソンが理解させることができないのか。その事に気がつこうとしないのは、一種の逃げであったし、自分の能力の不完全さを証明していることなのだ。

自分の技術を説明するためならば、服装などは相手に合わせればよい。あるいは相手を圧倒するぐらいの実力で、服装など関係なく自分を認めてくれるブランドが自分にあれば、格好などどうでもよいのかもしれない。しかし、そのような自分を確立していないにも関わらず格好だけは一人前だと主張するのは、あまりカッコよくない。
まずは、自分のターゲットとするビジネスパーソンの格好に合わせて、スタイリッシュかつフォーマルにスーツを着こなせるようになってほしい。また、ビジネスマナーもしっかりと学び、お客さまをしっかりとおもてなしすることも大切だ。

生き様としてのカッコよさ

クリエイティブなエンジニアは生き様もカッコよくなければならない。 業界や会社のリーダ的存在になり、大勢の前に立って話ができるようになった時、あなたは何をメッセージとして残せるのだろうか。あなたの生きた足跡として、どのような思いを聞き手の心に伝えるのか?
業界や会社を引っ張るリーダとして、技術だけではなく、エンジニアである前に人として、何を語るのかが大事なことでもあるのだ。
そのような事を懸命に考えて生き、自分も憧れる理想の自分像を描き、その理想を目指して日々の修行の中で自分を作り、そして自分を理想に近づけるよう演出する。
人生を舞台に、自分の生き様を演出することを、エンジニアという仕事を通して全うし、そこに人としての一粒の輝きを求める。そんな生き方はスタイリッシュでカッコいいと思う。 みなさんもそのような業界が誇るカッコいいエンジニアを目指してほしい。