皆さん、こんにちは。テストやソフトウェア品質改善に関するコンサルテーションやトレーニングを行っている豆蔵 ES事業部 テストチームです。
これから、テストチームのメンバの持ち回りで、ソフトウェアテストや品質に関するトピックでの ショートコラムを月1回程度で連載していく予定です。
初回となる今回のコラムでは、JSTQBという国際的なソフトウェアテスト技術者のための資格で用いられているテストのとても基本的な用語を2つピックアップしてご説明します。
なお、記事の中で使用する用語は、JSTQBが公開している用語集 を元にしています。
またJSTQB自体については、豆蔵にてこの資格の公認講座を実施しておりますので、
「JSTQBテスト技術者[Foundation Level]資格試験対策講座eラーニングコースのご案内」をご参照ください。
テストとテスト
今回ピックアップする用語は、テストとテストです。
誤植か? と思われるかもしれませんが、そうではありません。
英語で表記すると、 Test と Testing だからです。
現在進行形のingが付くことにより、何が異なるのでしょうか。
用語集から、その定義を見ていきましょう。
JSTQB用語集 V2.0 J01 からの引用部
- テスト(test)
- ひとつ以上のテストケ-スの組み合わせ。[IEEE829]
- テスト(testing)
- 成果物が定義した要件を満足するかを判定し、目的に合致することを実証し、 欠陥を見つけるため、ソフトウェア製品や関連成果物に対し、計画、準備、評価をすること。 全てのライフサイクルを通じて実施する静的、動的なプロセス
Test から見ていくと「テストケースの組み合わせ」となっています。
具体的にどういうことかを知るために、引用元を確認した方がよさそうです。
[IEEE829] となっていますので、これが一体何か、からご説明します。
- IEEE829とは?
IEEE Standard for Software and System Test Documentation の略で 最新版は2008年に発行された国際標準です。
策定したのは、IEEE Computer Society という組織で、前の版である1998版がベースになっています。この標準は、ソフトウェアテストのドキュメンテーションのための標準であり、 テストのための最低限の共通見解(Minimum Common View)を示したものとして 世界中で普及しているものです。
ですから、ソフトウェアテストの書籍や記事でも頻繁に引用/参照されています。
このIEEE829では"Test"を次のように定義しています。
IEEE std.829-2008 からの引用部
- test
- (A) A set of one or more test cases.
(B) A set of one or more test procedures.
(C) A set of one or more test cases and procedures. (adopted from IEEE Std 610.12-1990 [B3]
(D) The activity of executing (A), (B), and/or (C).
注: IEEE 610.12 は Standard Glossary of Software Engineering Terminology という標準です
上記を訳すと次のようになります。
(A) 1つ以上のテストケースのセット
(B) 1つ以上のテスト手順のセット
(C) 1つ以上のテストケースと手順のセット
(D) (A), (B), かつ/または (C) を実行するアクティビティ
つまり、ここで定義している「テスト:test」とは「テスティング:testing」という行為による成果物を表していることがわかります。
ただし、(D)の定義のように、成果物を元にテストを実行する アクティビティとして使われることもあります。
このため英語の文章であっても、testとtestingを意識的に使い分けがしているものがあれば、そうでないものもあるのが現実です。
とはいえ、テスティングという行為と、その成果物(ISTQBではテストウェアとも言いますが)を 「テスト」という言葉にまとめてしまわずに、意識して使い分けることは意義があります。皆さんも使い分けてみてはいかがでしょうか。










