組込ソフト品質向上セミナー
組織・プロセス・インフラの視点で読み解く組込ソフト品質向上への回答 〜力技はNO!海外品質管理センター展開と仕組み作りで乗り切れ〜

2010年12月9日に東京で組込ソフトウェア向けのテスト環境、組織構築のためのセミナーを行います。特に今回話題にしたオフショアのテストについて、その経験者にじっくりと語ってもらいます。テスト手法というよりテストへの取り組み方、環境の整え方というおもむきが強いのでチームリーダーやマネージャーの方の方が良いかもしれません。
詳細及び申し込み方法はこちらです。
http://www.mamezou.com/event/es20101209.html

はじめまして、码媒卓上海(まめぞうしゃんはい)、熊谷です。

今年から上海に駐在して主に組込ソフトウェア関連のビジネスを進めています。事業を進めるにあたっていろいろな人から中国でのソフトウェア開発の現状を見聞きしたり自身でも中国のエンジニアに働いてもらうようになって色々な事が見えてきたところです。

面白い事も多いのでこれからぼつぼつと中国でのソフトウェア開発なんかについて周りの人の話や自身の体験など紹介していこいうと思っていますのでおつきあい宜しくお願いします。私自身はエンジニアではないのですのでその部分は割り引いていただくという事で..

さて、今回はテストの話をちょっとだけ。

品質向上のかけ声のもと、外注に依頼してテストエンジニアの大量投入(教育されたエンジニアなのかな?)、力技で品質向上へ突進!だけど製品ラインは増え続け、一つ一つのソフトウェアも肥大化の一途。コストも増加の一途でこれでは支えきれず...という事でオフショアリングへ。エンジニア一人20万ですよ、30万ですよと低い人件費に魅力を感じ、ここで下げ止まらないテストのコストをなんとかしようとのもくろみの元テストをオフショアへ発注、そして失敗という絵に描いた様な例が多数出おきているようですね。こちらに来てもいろいろ聞きました。

失敗の原因はあるのでしょうが元をたどると以下の原因に突き当たっているようです。まあ前にIT系雑誌で指摘しているオフショア開発の失敗例と変わらなくもないのですが... "安い人件費に魅力を感じ、人員大量投入で力技のテストを進める"
日本より人件費が安いもんですからテストケースをとにかく広げて品質向上ってわけです。やり方は全く変わってないんですね。

力任せの闇雲なテストではなく専門知識を持ったものがテスト設計をきちんと行う、情報は積み重ねて活用する、テストの実施者への教育を徹底する、自動化できる所は自動化を..などなど当たり前の様に言われてきた事ができていない。すると文化、考え方の違う中国でのオフショアプロジェクトでこれらの問題がボコボコと健在化するようです。ほんとにボコボコと。暗黙の了解で"なんとかしていた"部分が崩れるわけですね。やって欲しい事が出来ない、指示した事と違う事をしている、納期が遅れるなどなどの問題とともにいろいろ吹き出てきます。

うまく言っているところはどうかというと、ひとつは工学系高等教育を受け、モチベーションが高く若くて有能なエンジニアを日本より多く得られると言う視点で中国でのテスト業務を確立している企業です。単なるテスト作業要員としては扱わずに。QAエンジニアとしてきっちり教育する事で比較的日本より短期間でQA業務を理解しテスト設計までカバーできるエンジニアを多く抱える事ができる。ここがきいているようです。またエンジニアも背景や作業の意味を理解してテストを進めるわけですので同じ作業でもクオリティーが違います。
私も実感したのですが、何かをやってもらう時は背景を含めて理解してもらうと誤解も少なく、モチベーションもあがるのでこれは重要みたいですね。逆にいろんな提案も受けます。ただしきちんと指標も示していないと、よかれと思って必要としていない事までやってくれちゃったりするんです。これは彼らの評価軸とこちらの考えがずれていると起こります。何事も明示的にしっかりと説明する、裁量の範囲を定めたらそれも説明しその中で工夫してもらう事で回避可能ですが。
なんと言うか、いちエンジニアとして認めてつつ、今やっている事そしてやるべき事を明確に伝えるという事をきっちりとやっている。ただしだめなエンジニアへの対応はきびしいようです。
人数頼りの力技で押し切る場合、ややもするとテスト作業要員としてかたづけられしまい先の対応などはノーケアという場合が多く、発注側の問題もあいまって問題噴出という結果になるようです。気をつけたいですね。

と、まだまだあるのですが、長くなるので今回はこのへんで。続きは次回にとっておく事にしますね。