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SysML勉強会
SysMLコトハジメ 第1回

はじめに

豆蔵社内でSysMLの勉強会が始まりました。SysMLって何だろう、と興味を持っている方も多いと思います。そこで、初心者の私が勉強会で感じたこと、ポイントだと思ったことを、そのままの目線でレポートしていきます。講師は、お客様へのSysML導入経験がある、弊社ES事業部の井上さんです。勉強会は全3回の予定です。

SysMLとは

勉強会は、SysMLが広まった背景から始まりました。現在、システム開発は、大規模化かつ複雑化の道を辿っています。それに伴って、システム開発に関わるステークスホルダー(利害関係者)も増加しています。このため、ステークスホルダー間でコミュニケーションできるツールが必要になってきました。メカ・エレキ・ソフトを包括し、システム全体をカバーする言葉(言語)です。そこで登場したのが、「SysML」です。SysMLは「Systems Modeling Language」の略で、システムエンジニアリングのための標準モデリング言語です。モデリング言語と聞くと、真っ先に思い浮かべるのはUML(Unified Modeling Language)ですが、SysMLはできるだけUMLを流用するというコンセプトの下、システム全体を記述する必要性から、UMLでは足りない部分を新たに拡張・定義しています。SysMLは、V字モデルのシステム要件分析・システム設計とテストをスコープとしていることも、注目に値するところでしょう。

図1 SysMLのスコープ
図1 V字モデルのSysMLスコープ

ダイアグラム・フレーム

第1回目のテーマは、SysMLで特徴的なダイアグラムの「ブロック定義図」と「内部ブロック図」です。まず初めに、「ダイアグラム・フレーム(Diagram Frame)」についての説明がありました。SysMLのダイアグラムには、必ず「ダイアグラム・フレーム」と呼ばれる枠が付いています。その左上には、ヘッダと呼ばれるトレーサビリティ情報を記述する必要があるので、このヘッダは必須だそうです。このヘッダのお陰で、SysMLのダイアグラム間で対応関係が明らかとなり、トレーサビリティが向上する仕組みとなっていることがわかりました。

図2 ダイアグラム・フレーム
図2 ダイアグラム・フレーム

ブロック定義図

「ブロック定義図(Block Definition Diagram)」は、システムの静的構造を定義する図で、UMLのクラス図に相当するダイアグラムです。ただ、UMLのクラス図と違う点は、複数の区画の記述が可能なところです。ブロック定義図は、一般的にシステムの高所に位置付けられるダイアグラムです。しかし、SysMLのブロック(Block)は、ハードウェアやソフトウェア、人や物など何でもブロックと呼んでもよいことになっており、かなり自由度が高くなっています。そのため、実際の開発現場では混乱を招かないように、ドメイン分析の段階ではブロック定義図を利用するのではなく、敢えてUMLを利用し、システムを分割するステージになってからSysMLを使うのが一番しっくりくるとのことです。

図3 ブロック定義図
図3 ブロック定義図

また、ブロック定義図では、「値の種類(長さや広さ)」、「単位」 を表現できる「ValueType」「Unit」「Dimension」や、UMLにはない「フロー・ポート(Flow Port)」、「アイテム・フロー(Item Flow)」などの 表記法があります。これもシステム全体を表現するための表現形式と言えます。

図4 ValueType, Unit, Dimension
図4 ValueType, Unit, Dimension
図5 フロー・ポート
図5 フロー・ポート
図6 アイテム・フロー
図6 アイテム・フロー

内部ブロック図

「内部ブロック図(Internal Block Diagram)」は、あるブロックの内部構造を横の繋がりに重点を置いて表現する図で、UMLのコンポジット構造図に相当するダイアグラムです。内部ブロック図で使われるプロパティ(Property)とコネクタ(Connector)は、UMLのパート(Part)とコネクタ(Connector)とほぼ同じです。内部ブロック図で注意すべきことは、内部ブロック図の構造が上位となるブロック定義図の構造と、矛盾しないようにすることです。

図7 内部ブロック図
図7 内部ブロック図

今回の勉強会では、ブロック定義図と内部ブロック図に関する演習問題も行われ、内容の理解がさらに深まりました。第1回の勉強会レポート、いかがでしたか?皆さんもSysMLに興味が沸いてきたのではないでしょうか?第2回のレポートも是非チェックしてみて下さい。

最後に、現在SysMLを利用できるモデリング・ツールを表1にまとめておきます。

モデリング・ツール名 価格
Enterprise Architect(Sparx Systems社) システムエンジニアリング版 77,700円/ライセンス
Rational Rhapsody(IBM社) 参考価格 197万円/年(サポート込み)
Artisan Studio(Artisan Software Tools社) 要問い合わせ
MagicDraw(No Magic社) Standard Edition Standalone $499
Pattern Weaver for SysML(Foundatao社) 98,000円/ライセンス
Papyrus for SysML(Eclipseベースのオープンソース) 無料
表1 モデリング・ツール

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  • SysMLコトハジメ 第1回